Giro d’Italia 2022 Wine tour
まだ COVID19 が完全に収束したわけではありませんが、徐々に以前の状態に戻ろうとしている昨今、2022 年の Giro d’Italia は例年通り 5 月に開催されます。今年はもともと 2020 年に予定されていたハンガリーでの開幕となり、第 4 ステージからイタリアを巡るルートとなっています(一部スロベニアを通過)。
ということで、せっかくなのでハンガリーのワインもリストに追加したかったのですが、都合により第 4 ステージ以降のルートで通過するイタリア国内のいくつものワインの産地から 12 本のワインを選んでみました。
毎度のことですが、この記事を書いている時点ではレースは始まっていないため、ワインもまだ 1 本も飲んでいません。よってワインの味の感想を期待しても何も出てきませんので悪しからず。
また、今回も各地域のワインは恵比寿にある Wine Market Party で買い揃えました。イタリアのワインはもちろん、フランス、アメリカ、その他の国や地域のワインも非常に多く取り揃えていてお気に入りなので、ワイン好きは行くと幸せになれると思います(近日中に改装工事あり)。オンラインでもどうぞ!(ステマじゃないよ)

- 1 本目のワインは、第 5 ステージのスタート地点カターニアを出て、リアルスタート後海沿いの国道(SS)114 号線を北上し始めて 10 キロほどの地点から西に 5 キロ程度のところにあるワイナリー、Benanti の Etna Rosso 2018 で始めます。思い返せば 2020 年の第 4 ステージがほぼ同じコースレイアウトで、スプリントステージながらフェルナンドガビリアがこのステージ唯一の山岳で遅れてしまうということもありました。今年もスプリンターたちに何か起こるのでしょうか。
- 2 本目のワインは少し飛んで第 8 ステージ、ナポリの少し東に広がるカンパーニア州の丘陵地帯で作られる Vesevo (Farnese) の Taurasi Ensis を。ちょっと特殊なアップダウンの多いクリテリウムのようなルートですがスプリンターが生き残るのか、それともクラシックの常連たちが常連たちが勝利をさらっていくのか。
- 3 本目のワインは第 9 ステージスタートから約 120 キロ地点、ヴィッラマーニャ付近から東に 20 キロ弱程度のところにあるワイナリー、Fantini (Farnese) の Montepulciano d’Abruzzo Colline Teramane を。Fantini と聞けば日本の熱心なロードレースファンは心当たりがあると思いますが、その Vini Fantini です。レースで通過する、アブルッツオ州の西側に南北に連なる中央アペニン山脈とアドリア海の間にある丘陵地帯に広がるワイン畑で作られるワインをこの機会に。もっとも、選手たちにそんな景色を味わっている余裕はなさそうです。
- 4 本目のワインは、第 10 ステージのフィニッシュ地点、イエジから西に 10 キロほどのところにあるワイナリー、CasalFarneto の Fontevecchia を。ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ ディ・イエジ・クラシコスペリオーレという長い DOC の格付け名からもまさにフィニッシュ地点から近い、西側の丘陵地帯で作られたワインだということがわかります。このステージもスプリンターステージとも言えなくもありませんが、後半のアップダウンを生き残ることができるのかが見どころになるかもしれません。
- 5 本目には今年初めて設定された「食ステージ」となる第 11 ステージの残り 40 キロ地点付近、カルピから 2 キロ弱の地点にあるワイナリー、 Cantina di Soliera の Lambrusco Grasparossa di Castelvetro を選びました。パルミジャーノレッジャーノフードステージとのことですが、微発泡の赤ワインと合うかどうかは…?それよりもフィニッシュ地点のレッジョエミリアといえば 2017 年の Giro d’Italia でここをフィニッシュ地点とした第 12 ステージ、およびここをスタート地点とした第 13 ステージでフェルナンドガビリアが連勝したのが印象的な場所です。そして今年もど平坦ステージです。
- 6 本目は第 12 ステージの第 1 中間スプリント地点から南に約 50 キロほどのところにある(少し遠め…)生産者、Cantina Cinque Terre の 2019 年のワインです。さすがにロードレースで断崖絶壁の海岸沿いを走ることはないので、いかなグランツールと言えどもジェノバからも離れているこの地域は注目されにくいわけですが、世界遺産の畑で生み出されるワインをこの機会に楽しんでみるのもいいでしょう。100 キロにも及ぶフォルスフラット(false flat; 平坦のように見える上り坂)を走るなど考えたくもないルートですね笑。
- 7 本目は第 14 ステージのスタート地点サンテナから南東に約 20 キロほどのところにあるワイナリー、Monchiero Carbone の Vino Rosato を。ピエモンテ州のネッビオーロ種やバルベーラ種を使ったワインは有名ですが、その両方を使ったロゼワインは珍しいのではないでしょうか。ルートの方もなかなか類を見ない感じになっています。
- 8 本目は第 15 ステージの 45 キロ地点にほど近い(数百メートル)協同組合がのワイナリー、La Kiuva の Rouge de Vallee 2020 を。スイス国境に近いアルプスのこの辺りではネッビオーロもピコテンドロと呼ばれるようですが、ドーラバルテア川に沿ってを北上した後はしっかりとこの辺りの山岳を上り下りするルートとなっています。
- 9 本目は第 17 ステージ最初の 3 級山岳の手前、国道(SS)43 号線のラウンダバウトのさらに少し手前にあるワイナリー、Rotari の Brut Platinum 2015 を。実はこのグランツールワイン巡りシリーズ、ルート上にあるワイナリーのワインを選べることはほとんどないのですが、このワイナリーはまさにルート上にあると言ってもいいのではないでしょうか!ワインステージ???ちょっと何のことかよくわかりませんが、わざわざ公式に注目されているワインがあるのであればそれ以上こちらからいうことはありませんのでスキップしています笑。
- 10 本目は第 19 ステージの第 2 中間スプリント地点から南に 20 キロほどのところにあるワイナリー、Borgo Savaian の Aransat Unfiltered 2020 を。オレンジワインは自然派ワインの産地として有名なフリウリ、およびその隣のスロベニアでよく作られていますが、まさにそのうちの一つです。プロトンはスロベニアに入って第 2 中間スプリント地点にたどり着くまでの間に激坂区間を経てかなり小さくなってイタリアに帰ってきて最後の激坂で散り散りになってしまうのでしょうか。
- 11 本目は最終ステージ、ヴェローナから東に十数キロのところにある、Pieropan の Soave Classico 2020 。ここ数年ミラノの最終ステージが続いていたこともあって、近くで生産されている Franciacorta でしめる感じになっていましたがさすがに今回はちょっと違うかな、ということでソアヴェを選んでみました。お好みでアマローネもいいかもしれません。というか、ヴェネト州といえば大会スポンサーでもある Astoria のスプマンテがありますし、何なら Giro d’Italia 特別パッケージが毎年リリースされているわけなのですが、日本でほとんど見かけないのでその存在をすっかり忘れてこの記事を書いている時に思い出したわけです。
- そしてワインを買いに行った時には今回はスプマンテ少ないねということで、番外編で 12 本目は Contratto の Millesimato Alta Langa DOCG Pas Dose を実は選んでいました。場所で言えば第 12 ステージのフィニッシュ地点のジェノバからも北西に 50 キロほど、第 13 ステージのルート上からも同じくらい離れていてほとんど無理やりなのですが、細かいことは気にしないでおきましょう。

以上が、2020 年の Giro d’Italia に合わせたワインリストでした。今年も去年とは違った生産者のワインをたくさん選ぶことができたので、あとはレースの開幕に合わせて飲むのが楽しみです。