Giro d’Italia 2023 Wine tour

祥雲LLN68(a.k.a Alice)
8 min readMay 6, 2023

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レースシーンがパンデミック前に戻ってきてよかったよかったと言っていたのも束の間、COVID19 に感染してレースの出場を取り消す選手が次から次へと現れている 2023 年の Giro d’Italia。今年は第 13 ステージおよび第 14 ステージでスイスに入る以外はイタリア国内で完結するルートとなっています。

ということで、ルートで通過するイタリア国内のいくつものワインの産地から 今回は 11 本のワインを選んでみました。

毎度のことですが、この記事を書いている時点ではレースは始まっていないため、ワインもまだ 1 本も飲んでいません。よってワインの味や感想を期待しても何も出てきませんので悪しからず。

また、今回も各地域のワインは恵比寿にある Wine Market Party で買い揃えました。イタリアのワインはもちろん、フランス、アメリカ、その他の国や地域のワインも非常に多く取り揃えていてお気に入りなので、ワイン好きは行くと幸せになれると思います。オンラインでもどうぞ!(ステマじゃないよ…というより、どこのワイン屋にこういうことをしているという話をしてもグランツール特設コーナーを作ってくれません…)

ところで昨今の Giro d’Italia 公式ウェブサイトは各ステージごとにルートの情報と合わせて地域や観光名所、ワインを含む食文化の情報を盛り込んでおり、とても読み応えがあります。日本語ではありませんがどこぞの翻訳ツールに投げ込めば簡単に和訳してくれる時代になりましたので、比較的放送時間が長くなりがちなグランツールを観る合間に読んでみるのもいいと思います(広告が多いですが)。

source: RCS Sport
  1. 今年は 1 本目として、第 1 ステージのフィニッシュ地点アラゴネーゼ城から 10 キロほど南西にあるワイナリー、Famiglia di Carlo の NOBU 1930 Montepulciano D’Abruzzo DOC Riserva から始めます。ツールドフランスにおけるポーではありませんが、アブルッツォ州のアドリア海沿岸は本当によく通りますがワインは割と選びやすい地域で、イスラエルプレミアテックのスポンサーのビーニファンティーニのお膝元でもあります。
  2. 2 本目は、これもアブルッツォ州、第 2 ステージ最初の 4 級山岳から大体西に 20 キロほどのところにあるワイナリー Ausonia の Bruco Petnat Colli Aprutini Bianco Frizzante。このフリッツァンテは早摘みのブドウで作られているのですが、ワイン同様、まだ脚がフレッシュな最初のスプリントステージでは大御所よりも若い選手が勝つのを見たい、という気持ちもあったりするわけです。例えば 2017 年のジロのフェルナンドガヴィリアのような。
  3. 3 本目は第 3 ステージのフィニッシュ地点から考えても結構南の海側になってしまうのですが、プロトンがアブルッツォ州を抜けてプーリア州に入るのでそれに合わせて Cantina Giara の Melech 2021 を。去年は生産地として代表的なフリウリのオレンジワインを選びましたが、最近はそれ以外の地域で作られたオレンジワインも手に入るようになり、こうやって選択肢に入ってくるようになりました。俗に言う逃げ向きのステージと言えますが、近年のプロトンは逃げをほったらかしにしてゆるくフィニッシュすることがほとんどないので、集団が 3 級、4 級山岳のコンボでスプリンターを振り落とした上で、最後のゆるい上りフィニッシュで集団スプリントをするのではないかと予想しています。
  4. 4 本目は第 5 ステージのスタート地点から東に 2、3 キロほどにあるワイナリー、Feudi di San Gregorio の Serpico 2014 を。ちょうど最初の 3 級山岳を超えたあたりがこのワインのブドウの産地をぎりぎりかすっていないぐらいなのですが、空撮で畑を含む景色が見られるといいですね。このフェウディディサングレゴリオのワインは過去2年のこのジロのワインツアーでは出てきていませんが、普段はしばしば買ったり飲んだりしているワイナリーのワインでお気に入りです。エチケットが特徴的で記憶に残りやすいです。
  5. 5 本目は第 9 ステージのタイムトライアルが開催される地域から南西に 25 キロほどのワイナリー、Tenuta Santodeno の Sangiovese Superiore 2019 を。プロトンはエミリアロマーニャ州に入るわけなのですが、今年はポー平原を横断せず、河口付近を本大会 2 回目の ITT の舞台とします。35 キロの長い ITT にはしっかりした赤、などと考えるわけであります。ところで、先日豪雨によりポー川で洪水があったようで、レースはともかく住人の方々の生活が気になるところではあります…。
  6. 6 本目は休息日をはさんで第 10 ステージのスタート地点から北西に約50キロほど、ちょうどパルマの少し北あたりにあるワイナリー、Ceci の Otello Nerodilambrusco Editione 1813 を。第 10 ステージはフィニッシュ地点までの 75 キロが概ね平坦ですが、その前に控える 2 級山岳までの道のりはスプリンターに優しいとは思えません。プロトンはどのように 2 級山岳を越えるのか、ハムやパルミジャーノをランブルスコで流し込みながら見てみましょう。
  7. 7 本目は第 12 ステージ、スタートから 25 キロ地点のルートのすぐそばにあるワイナリー、 Diego Conterno の Langhe Nascetta を。第 11 ステージからピエモンテ州に入ったプロトンは続く第 13 ステージに向けて、特に総合勢は大きく動かないことが予想できますが、ステージ勝利を目指すのであれば 2 級山岳で動く選手も出てきそうです。ナシェッタと言う土着品種のみで作られたこのワインは「変わって」いますが、このステージの最後の 1 キロもちょっと変わったルートなので観ている側からすれば予想を難しくする要因になっていると思います。
  8. 8 本目は第 15 ステージのフィニッシュ地点から東に 20 キロほどのところにあるワイナリー、Uberti の Francesco I Franciacorta Brut を。第13、14 ステージを超えて 2 週目最後のステージとなるプロトンには束の間の休息を…と言いたいところですが、第 15 ステージはイルロンバルディア風。であればワインもベルガモから少し東のイゼオ湖の影響を受けた土壌で作られたフランチャコルタでイルロンバルディア風にいきましょう。
  9. 9 本目は最後の休息日明けの第 16 ステージのフィニッシュ地点から北にさらに 50 キロほど北上したところにあるワイナリー Franz Haas のManna 2020 を。このステージはスタートからイタリア最大の湖、ガルダ湖畔の平坦区間を進むのも束の間、東アルプス山脈に突入し 140 キロで 5 つの山岳、5000m を超える獲得標高となる休息日明けの余韻も何もないステージです。ワインも 5 種類の白のブレンドですが、こちらに関してはその個性豊かなテイストの余韻を楽しめそうです。ところでフランツハース氏、昨年亡くなってしまったんですよね…。
  10. 10 本目。第 17 ステージは東アルプスにあるカルドナッツォ湖からブレンタ川沿いになだらかに下り、ヴェネツィアをかすめてアドリア海に出る平坦ステージです。少しルートからは離れるのですが、ヴェネト州といえば、と言うことでソアーヴェ地区 Anselmi の San Vincenzo 2021 を。昨年は伝統的な生産者ピエロパンを選びましたが、今年は革命児と言ったところでしょうか。そういえば昨年の第 18 ステージ、今回の第 17 ステージと似たコースプロファイルで逃げグループが逃げ切ってしまい、いわゆる絵に描いたようなスプリンターステージにならなかったわけですが、今年も一波乱あるのでしょうか。え?大会スポンサーの Astoria がヴェネト州?ちょっとよくわかりません。
  11. 11 本目。少しステージが飛びますが、今年の最終ステージはミラノではなくローマです。コロッセオを周回するスプリントステージ。おそらくは前日の ITT でマリアローサは確定しているとは思いますが、フィニッシュラインを超えたマリアローサに対して一体何人が、幾つのメディアが「ローマは一日にして成らず(Rome wasn’t built in a day.)」などと口走ってしまうのか注目です。もじってもカウントします。ワインはもちろんラツィオ州、ただし、この州で多く生産されている白ワイン…ではなくロザート、Sete の Freaky で Fight For Pink を締めくくります。

以上が、2023 年の Giro d’Italia に合わせたワインリストでした。今年も去年とは違った生産者のワインをたくさん選ぶことができたので、あとはレースの開幕に合わせて飲むのが楽しみです(コピペ)。

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Written by 祥雲LLN68(a.k.a Alice)

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