Tour de France 2020 ワイン巡り
例年よりも遅い8月末に開催されたツールドフランス 2020。今年は最初から最後までフランス国内を巡るルートで構成されています。毎年選手たちが丘陵地帯を駆け抜けるシーンを見ながら、結構あちこちのワインの産地を通ってるんじゃないかなと思っていたので、今年のルート上、もしくはルートの近くにあるブドウ畑で作られているワインを集めて、ツアーを組んでみました。この記事を書いている時点ではツールドフランスは始まったばかりで、ワインもほぼ飲んでいないので味の感想とかは書いていません。
なお、各地域のワインは恵比寿の Wine Market Party、および La Vinée で買い揃えました(ボルドーを除く)。フランスのワインはもちろん、そのほかの国や地域のワインも非常に多く取り揃えていてお気に入りなので、ワイン好きは行くと幸せになれると思います。オンラインでもどうぞ!

- Grand Départ、つまり今年のツールドフランスの出発地点はニース。まずはそのすぐそばのプロヴァンス地方から暑い日に冷えたロゼをということで Invivo X, Sarah Jessica Parker Rose 2019 を。
プロヴァンスのロゼといえば Miraval なんかは有名だと思いますが、そっちがアンジーならこっちはサラジェシカパーカー。もっとも暑いのは日本だけで8月末のニースはさほど暑くないようですが。 - 第2、第3ステージは引き続きプロヴァンス地方の周辺でレースをするということで、ほとんど飲んだことがないプロヴァンスの赤ワイン Les Restanques de Pibarnon Bandol Rouge 2012 を。
- 第6ステージではラングドック地方の北端をかすめて西に向かっていくので、少しルートからは南に外れますが、ラングドックのモンペイルー村にある Villa Dondona からIGP L’Herault Rouge Que Due Grenache 2018 を。
酒飲みには関係ありませんが、選手たちは本格的に山岳ステージに突入していくことになります。 - ツールドフランス第1週目を締めくくる第9ステージはポー(Pau)からスタート。パレード走行の間にすぐ離れてしまいますが、ジュランソンを通るということでDomaine Bordenave から Juraçon Sec Terres de Mémoire 2018 を。
翌日、選手たちには休息日を、酒飲みには休肝日を…? - 第10ステージはオレロン島からスタートですが、その少し南はボルドー地方。海沿いを北上し、レ島をゴールとするルートの風景には赤ワインよりも白ワインがふさわしかろうというよくわからない理屈で Château Cantenac-Brown の Alto de CanteNac Brown 2014 を。
- その後すぐにボルドー地方から離れ、中央山塊(Massif Central)に向かって西に進むレースですが、そこに横たわるはオーヴェルニュ地方。日本でも有名なヴォルビックに代表されるミネラルウォーターの一大産地でもありますが、同時にワインの産地としても近年注目を浴びているようです。
その中で、第13ステージのパレード走行が終わってすぐ通過するリオン(Riom)という町に醸造所を構える Benoît Montel から IGP Puy de Dome Les Varennes 2018 を。 - 次いで第14ステージ、クレルモンフェランからリヨンに向かっていくということで、若干北に遠いですがブルゴーニュ地方が近いということでメルキュレイ(Mercurey)にある Domaine Michel Juillot から Bourgogne Pinot Noir 2017 を。
- ツールドフランス第2週目の最終日、第15ステージはリヨンからグランコロンビエールでフィニッシュするルート。リヨンよりやや北東、そしてグランコロンビエールよりやや北西辺りにあるビュジェ地方から Domaine La Dentelle の Bugey Cerdon Rosé Demi Sec を。
ここへきてやっと泡が出てきました。個人的にはあまり甘口の泡は飲まないのですが、こういう機会に飲んでみるのもよいかと思っています。 - さて、ついに最終週に突入するツールドフランスなのですが、第16ステージから第18ステージまで国境沿いの山岳を登っては降り、ということで近くのサヴォワ地方のワインは選ばずにちょっと視点を変えてみたいと思います。
そこで第19ステージのルートを見ると4級山岳として Côte de Château-Chalon という名前の山岳カテゴリがあるのがわかります。これはジュラ地方で白ブドウ品種サヴァニャンのブドウ畑がある4つの村で構成される地域シャトーシャロンを横切る道路をまさに通っていくルートになっています。
ということで、そのシャトーシャロンの村の一つ、メネトリュ・レ・ヴィニョーブル村で作られる Vin de France S ------ N 2014 を。なんとも妙な名前のワインですが、格付け上 VdF (Vin de France) なためにラベルにブドウ品種の記載ができないことから極めて分かりやすい伏字をしているようです。 - パリに向かう直前、今大会唯一のタイムトライアルはリュールから北東に。そこはもうアルザス地方ということで、“L” pour Lerchenberg 2015 を。これはゲヴュルツトラミネールだけで作られたワインですが、リースリングを使った白ワインや、クレマン・ダルザスもいいと思います。特に今回のツールドフランスはシャンパーニュ地方を通過しないので、泡らしい泡をいただきたいなという場合はクレマン・ダルザスを選ぶのがおすすめではないでしょうか。
- 番外編。最終日のパリはワインの産地ではないので、もし何か飲みたいということであれば好きなものを飲んでしまえばいいかと思いますが、あえて選ぶとすれば公式パートナーシップを結んでいる Castelnau のシャンパンを選ぶという手もあるでしょう。一応、今年のツールドフランスに合わせて Castelnau では Cuvée Sprint という製品をリリースしたようですが、日本で手に入るのかどうかはわかりません。
以上でツールドフランス 2020 に合わせたワインリストでした。第5ステージのルートに合わせてローヌ地方のワインを一つ加えておけばよかったかもしれないですね。
